前回のつづき
トランクの持ち手修理②
切り出した革に穴をあけます。
単に穴をあける
と、言う作業ですがやはりコツと注意があります
先ず、組み合わせの注意です
左右、裏表のセットですので
どれとどれが対応しているかを
解らなくならない様に裏に印をします
*同じ形ですので同じ穴の数になりますが
多少の誤差は生じるので、
同じ様な作業の場合は「ペア」が混ざらない方が
綺麗に仕上がります
次に、『仮止め』の重要性です。
ケースバイケースですが、
糊で合わせてから穴あけをした方が良い場合と
両面テープでの仮止めで良い場合の見極めです
今回は裏側の部品は本体を挟み込んで縫うので
もちろん仮止めでの穴あけとなります。
本体も合わせて三枚で開ける事も可能ですが
あえてずれやすい作業をしてリスクを増やすより
簡単に作業出来る方法を繰り返す事が
確実に仕上がる事にも繋がりますので
無理せず地道に作業するのが重要となります
握る部分はそのまま使用なので
同じ位置に戻せるように
場所を確認しながら部品を仮止めです
そのまま本体にも穴をあけ
ペアの裏側部品と合わせて
手縫をしながら本止めとなります。
縫い終えた所で
金具を打ち込む場所の確認と
忘れずに持ち手の部品を合わせて
カシメをしっかり固定させれば
作業は完了です。
ピンぼけ写真になってしまったのが悔やまれますが(笑)
無事に作業の完了です
大変にご満足いただきました☆
今回の様に見た目だけでは
判断できない品物構造もあるので
修理の場合もどこまでの完成を目指すかは
とてもいい経験となりました。
BAGの大きさに対しての強度は必要と
作り手としては考える所ですが
とは言え、
あくまでもお客様のご要望があっての事ですから
頑固になりすぎることなく
それでいて堅実な作業が出来るようにと
精神面でも勉強になるご依頼でした