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革を染めるぞ(挑戦その6)

前回のつづき

染めQで革を染めてみよう! 

強すぎるシールの粘着力をどうしたらいいか?


 その答えは突然閃きました!


心が折れたまま、しばらくどうしたらいいかと考えておりました。

当たって砕けろ的に、何度も試して、たまたまの成功を目指すしかないのかなぁ?と

思ったりもしましたが、肝心のカッティングシールが残り2枚しかなかったのです。

素直に、またシール屋さんに追加の発注をかけたらいいだけの事なのですが、

もともと「2枚だけ欲しいのですが」と話をふっておいて

この時点で追加を繰り返し合計10枚ほど製作して頂いていたので

更なる追加はコスト的にも、気分的にもあまり望ましくはなく

何とか最後の2枚で結果を出そう!と考慮しました。


そんな中、

他の仕事も同時進行で製作しておりますので、

型紙を作る上で、セロテープを使う機会がありました。

セロテープ台にある指でつまんで、引っ張って、切る。そして貼る。

また引っ張って、切る。で、貼る。

セロテープについた自分の指紋を見てコレだ!と思い付きました。


考え抜いて導いた答えは、超アナログで原始的な方法でした。

その名も

「貼る前に手のひらで粘着面をペタペタする」

早速、挑戦致しました。

画像はありません。

 と言うよりそれどころではありません。

最後のシールですので失敗は許されませんし、その上、鍵盤柄のあの細かさです。

更には、程よいペタペタにはしないと、また隙間が出来てしまい

塗t料が入り込んでしまうので、絶妙なペタペタ加減と集中力が必要でした。 





絶妙な「ぺたぺた」を施したのち、革に貼り付けます。

いつもの通り、手なれた手つきで染めQを薄く数回に分けて吹き付けます。

そして、しっかりと乾燥させます。

いよいよはがす時です。

いい感じ!!

そして
遂に完成!!ちなみに細い線は2ミリ巾。とても綺麗ですね
ついに完成です!!

『革にデザインを染めつける』
(今回はピアノの鍵盤の模様)

ついに、ついに、完成致しました!!

ミッション成功です! 

(^。^)y-.。o○

今度は完成に酔いしれながら、歓喜の一服を致しました。


 無事に完成させる事が出来たとは言え、相当な時間を要していまいました。
一番初めの「ラバー加工」の耐久性のも問題(失敗返品)から考えますと
お話をいただいた靴屋さん(お客様)実際にお使いになるご本人様には
大変なお時間をいただいてしまいまして、お詫びと反省の気持ちしかございません。
 とは言うものの、途中何度か心が折れそうになったり、ガッツリ心折れたりしながら
完成までこじつけた事自体は、少しだけ自分を褒めてやろうとも思いました。
 費用面だけで考えますと、2枚作ればいいだけの事を、様々な方法で失敗した結果
計10枚挑み、そのうち2枚だけの成功でしたので、この点も大変なロスでした。
シビアな目で見たら、断っていた方が利益があったと言う事になるわけですが、
この経験と実績はまさにプライスレス。今後の大きな糧となりますので
当工房にご相談いただいたご縁を有難く頂戴致しました。

次の日には靴屋さん(お客様)には無事にお渡し致しました。
色んなご迷惑をお掛けしたにもかかわらず、ねぎらいと感謝のお言葉を頂戴しました。
これまでの経緯や苦労が報われた様な気がいたしました。


  • カッティングシール計10枚(業者にて製作 シールの他に最初のみ原稿代)
  • 染めQ 黒 スプレータイプ(小)計2本
  • 染めQ 黒 スプレータイプ(大)計1本
  • 染めQクリーナー(専用下地処理液剤)1缶
  • シワ加工白牛革    6枚(@30×5)
  • シワ加工ナシ白牛革  4枚(@30×5)
失敗も含めて主に使用した材料です。一回で成功する前提で購入してますので、効率のよくない買い方でした。
素直な感想として、染めQはかなり使えるアイテムだと思います。ただし、小さいスプレー缶は思っている以上に
容量がすくないので、購入の際は余らせてしまう事になっても、大きい容量の方が安心して作業が出来ますよ。

実際の靴の画像は機会があれば追ってUP致しますが、
ご本人様のご意向もありますので、難しいかも知れませんがどうかご容赦を。


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