このブログを検索

松葉杖の修理②

 前回の続き

 松葉杖の修理②




今回はシンプルな構造ですので

もともと素材と同じ大きさに
 
新しい部品を作れれば
 
概ねの作業は完成と言えます。

同じ大きさの素材に
 
同じ所にくぎを打てば

同じに仕上がる

と言った工程です。



上の画像は
 
ベースとなる茶色い牛革。

アクセントにする白いベルト状の革。

そして、

新しいクッション材。


クッション材は

コストや入手のしやすさ、

加工のしやすさなどに考慮して

一般的なスポンジ材を用意しました。

大きさは杖の形に合わせるだけですが

厚さ(高さ)はどのくらいにするか

少々悩みましたが

体重がかかる事を想像し

程良いクッション性を目指した厚さにしました。





















画像で見るとなかなかの量ですが

重さがかかればつぶれますし

そもそも

革で仕上げながら

圧力をかけて作業しますので

結果的には程良いクッションとなりました。


組み立てるクギを

本来の場所に打ち込んで

無事に元通りです。

前後は多少クセのある

「飾りくぎ」でアクセントとしましたが

左右は体との干渉を考慮して

シンプルで大きく無いクギにしました。



 ガタつき修理もバッチリ

 

もうひとつのご要望であった

ガタつきの修理も行いました。

 

「革屋さん」だからできる!

と言うモノではなく、

ネジの締め直しや、

クッション用のゴムの緩衝材の交換といった

ごくごく一般的な作業で

大変だったのは

ホームセンターで

使えそうな品を探す事くらいですが

ご縁があって預かった品ですので

とても楽しく作業をさせていただきました。




後日、

「気に入っているし調子が良い」

と、お礼のお電話をいただきました。

 

最初に「出来ますか?」のお電話の声とは

全く違った明るいお声に

とても良い仕事が出来たと

うれしい気持ちになりました。





もちろんお店ですので....

色々なコストや利益も考えての上での

対応やご案内となってしまうのは

当たり前のことではありますが

自分個人としては

困っている方がいたら

何かお役に立ちたい!とも

同じだけ思います。

 

技術的にも設備的にも

全部出来るわけでもないですが 

可能な限り、様々なご要望にお応えすべく

日々精進しておりますので

何かございましたらお気軽に

ご相談下さいませ



このエントリーをはてなブックマークに追加