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ブランドバッグの修理②

ブランドバッグの修理のつづき

裏地の色々


当工房の修理に関するご案内です
「目指す修理のあり方」や「ブランド品の修理」等
是非ご一読くださいませ


先ずは分解する為に

必要な部分の糸を切ります。

余計なところを切らない様に

慎重に検討しながら

作業を進めます。

ファスナーの部分とも

関わっているので

必要最低限にとどめるように

目的の場所を目指します





遂に見えました!

黄色い糸が!


今回作業する

交換部品の糸と

やっとご対面です☆








先の記事でもご案内した通り

内側の構造で

その作業内容は

大きく異なります。

内側の構造=裏地

とも言えますが

その裏地について少しふれておきます




コストのかからないパターン


裏地がない状態で仕上がっているモノ

既製品の場合は

何かしらの裏地がある場合がほとんどですが

手づくりのアイテムや

革の質感を全面に出しているものなど

裏地がないBAGも存在します。

裏地がない分

直接の修理がすぐに出来ますので

修理コストは少なくて済みます。

他に裏地があっても

その裏地ごと縫いつけてる場合も

コストは少なくて済みます。

「分解」と「戻す」作業分が浮く事になる為です。





裏地がベタベタに・・・。


と、言うご相談も多く頂きます。

これは、裏地の素材(合成皮革)の

劣化によるものです。

【合成皮革】

文字に『革』とありますが

これは革に似せた素材です。

色々な合皮の種類がありますが

ビニールやプラスチックの様な素材の

親戚になります。

時間による劣化や

保管場所によるダメージなど

理由は色々ですが

このベタつきは劣化の証となります・・・。

残念ながら

このベタつきを無くす方法や

回復させる方法はありません。
(私の知る限り)

裏地を交換するのが

有効な手段ですが

全部分解する必要があるので

コスト面から見ても

現実的には難しい状態と言うほかありません・・・。




裏地の種類って?


革のBAGの場合

一番の多いのは『合皮』だと思います。

本革に対して言葉のイメージが良くないですが

品物のコストや見た目と重さを思うと

便利な素材だと思います。
(使った事ないので想像ですが)

ただし劣化した場合は

一番厄介な裏地です



次に多いのは『布地』だと思います

軽さや縫製のしやすさなど

とても優れていると思います。

生地の種類によっては

弱い場合もありますが

ほつれやほころびは起こるにしても

合皮のベタベタとは違い

何かしらの修理法がありますので

修理をする観点からしますと

合皮より耐久性が良いと言えます。



意外と少ないのが本革

本革のBAGでも裏地まで本革というのは

思っている以上に少ない様に感じます

当工房とは違い

沢山の数を作るブランドやメーカーなど

既製品と呼ばれる品物は

作る数が違いますので

裏地のコストは大きな部分だと思います。

「裏地に本革」って言うのは

自分の場合は普通ですが

ある意味ではとっても贅沢と言えるのかもしれません



ちなみに当工房で

一番リッチな裏地は

コレでした↓


作ったのはお財布でしたが

シビレル様な金額の裏地でした。







本来の修理の内容から脱線しましたが

修理の際にいつも苦戦する

裏地についてまとめてみました

何かの参考になれば幸いです☆




つづく
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